ここ最近の医療関係のお話です。
近しい人の話と、自分の感じていることですので、全国的には分かりません。
病院の空床が目立つ。
外来患者数が少ない。
紹介患者が減った。
という話をよく聞きます。
コロナの感染症分類が変更されてから、通院を自粛していた方達のニーズというものが増えた印象があったのですが、ここ最近確かに患者数は減っています。
なぜでしょうか?
コロナは落ち着いてきたものの、夏以降はインフルエンザが猛威を奮っています。
学校では学級閉鎖になっているところもありますし、病院でもインフルエンザの検出が上がっています。
「家族がインフルエンザになったから、通院は今度にしよう。」
「体調も心配だから特に急がない手術(癌などではない)は、また今度にしよう。」
このように考えている人も多いでしょう。
しかし他の原因のひとつに、物価高による通院自粛があるのでは…と考えています。
食費は削れないけど、いつもの通院の頻度を減らしたり、定期受診の間隔を空けてもらったりする患者さんが増えてるのではないでしょうか。
美容院以上に、病院に通っている人はたくさんいます。
高齢者では、内科、眼科、整形外科、泌尿器科…このあたりの診療科を定期的に受診されている人が多いです。
高血圧や糖尿病の薬をもらいに内科へ。
目も見えにくくなってくるから眼科へ。
足腰が痛いから整形外科へ。
おしっこの出が悪いから泌尿器科へ。
どれも定期的な検査と内服が主になるのですが、すぐに命に関わる心臓疾患、悪性腫瘍でなければ、通院頻度を少なくしたいと思うでしょう。
実際、3ヶ月に1回の定期検診を半年に1回に変更すると喜ばれたりするそうです。
基本的に病院が好き(だと私は思ってしまうくらい病院は高齢者で溢れている)な高齢者は、
「心配だからそんなに間隔は空けないでいいです。」
以前ならこう答えていました。
賃金が増えないのと同じく、年金も急には増えません。
いずれ、物価上昇に合わせて年金の見直しもされるのでしょうが、それは私たちの掛け金の増額を意味しています。
物価高で節約できるところが、医療費になるなんて。
社会全体が物価上昇、人口減少、高齢化に追いついておらず、色んなところに歪みが出て来ていると感じました。